「今、仕事?」
「どうした?」
「平気だよ」
「母さん、緊急入院!」
「大腿骨骨折だって」
「マジ?」
「自転車で転んだみてぇだ...」
「え~!!」
「今から病院行ってくる」
「あ~ぅん!分かった」
「感染予防のため会えないんだけど...」
「手術すっから手続きしてほしいんだってよ」
「あ~、コロナ?しょうがないか。」
「お願い」
宮城県に住んでいる妹からの連絡に戸惑いが...
リハビリが大変なことも、退院後の自宅での生活が大変なことも、
寝たきりの生活が引き起こす副次的障害も、患者さんやそのご家族と
向き合って、元気づけて声をかけてきたのに...
いざ自分の身内にとなると、とても不安が大きかった。
「ドクター、頼むぜ!」
「神様、仏様、お医者様!どうか母親を元気にしてあげて!」
こんな時だけ都合のいい「神頼み」「医者任せ」
でも仕方がないもんね。自分は何もできない!
手術は無事に終わり、すぐに術後リハビリを開始したとのことで、
「動ける体に戻ってくれ...」という思いと、
「これからどうしよう」という不安が入り交じり、
どのタイミングで帰省するか、予約表を眺めながら、
患者さんやスタッフに迷惑のかからないように...
術後管理の病院からリハビリ病院へ転院するタイミングで
帰省することを決めた。
(続く)